ICLは2003年にヨーロッパでCEマークを取得し、2010年に日本で認可されました。2014年にレンズ形状が改良(Hole ICL)されて術後成績が格段に向上し、現在に至ります。一方IPCLは、EyeOL社から2014年に発売開始された新しい後房型の有水晶体レンズ(IPCL)です。2017年にヨーロッパでCEマークを取得し、ICLに加えて治療の選択肢が広がりました。
以下に、当院の考えるIPCLの特徴について説明いたします。
ーメリット
〇レンズの度数およびサイズが豊富
従来はLASIKのみであった弱度近視の方(~-3.00D)でも対応可能。
〇乱視に強い
セミオーダーメイドであり、斜乱視や弱度乱視にも対応。構造的に術後の軸ずれが少ない。
〇ハローグレアが少ない
レンズの光学径が大きい(6.1㎜ vs 6.6㎜)ため、夜間のハロー・グレアが少ないと考えられる。
〇老視対応レンズあり
45~55歳での眼鏡フリーには必須。
ーデメリット
〇歴史が浅い
術後の長期データが少ない。厚労省の認可が取れるのも2026年予定。
〇時間がかかる
セミオーダーメイドのため、発注から到着まで4~8週間かかります(ICLは数日以内)。
〇費用の問題
老視対応(多焦点)レンズは、費用負担もより大きくなります。
〇レンズの固さが異なる
ICLの方が柔らかく、摘出・交換が容易(創部への負荷が少ない)。
上記を踏まえて、当院では「繊細な乱視矯正の必要な方」「45歳以上の方」「他の屈折矯正手術(LASIKなど)術後に戻ってきた弱度近視の方」に対してはIPCLの選択肢を提示しており、そうした事情の無い方に対してはICLを推奨しております。
近視矯正手術をお考えの方は、お気軽に当院までご相談ください。
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